総合相談窓口である「地域包括支援センター」
更新日:2022/03/24
地域に暮らす高齢者を支えるための総合相談窓口となるのが地域包括支援センターです。専門知識を有した職員が各種サービスに関する相談に応じてくれます。自治体から委託された各市区町村が主体で設置しており、全国に約5,000施設あります。
対象者
地域包括支援センターの対象者は地域に暮らしている65歳以上の高齢者、または支援活動に関わっている人です。支援を必要とする人と相談したい人が離れて暮らしている場合は注意が必要です。例えば、離れて暮らす親のことについて家族が相談したい場合は、対象となる親が住んでいる地域の地域包括支援センターに問い合わせなければなりません。
以下に、全国の生活支援センターの情報をまとめているページを紹介しますので参考にしてください。
地域包括支援センターが担う業務
地域包括支援センターが担う業務は「介護予防ケアマネジメント」「総合相談」「包括的・継続的ケアマネジメント」「権利擁護」の4つです。
介護予防ケアマネジメントとは、介護を必要とする人や今後必要になる可能性が高い人を対象に、状態の悪化を防ぎ自立した生活を継続できるように支援を行うことです。具体的には、要支援認定を受けた高齢者に対する介護予防ケアプランの作成などを行います。対象者の移動範囲や移動能力、日常生活の状態、社会参加や対人関係、精神面を含めた健康状態などを把握し、課題を分析します。また、今後介護が必要となる可能性が高い高齢者に対して介護予防サービスを紹介し、参加を促します。
総合相談では、高齢者からの相談に対して幅広く対応します。高齢者が抱える不安や悩み、困っていることをヒアリングした上で利用できるサービスや制度を紹介します。
権利擁護とは、高齢者の生活のために権利を守る活動を指します。例えば、判断能力が低下したことにより金銭管理が困難になった高齢者がいた場合、金銭的搾取や詐欺の被害に遭わないよう、成年後見制度の活用をサポートします。その他にも、虐待被害の防止・早期発見などの取り組みを行います。
包括的・継続的ケアマネジメントでは、地域全体の医療・保健・介護分野における専門家や地域住民のネットワークを活用し、高齢者の抱える課題の解決に向けた取り組みを行います。地域ケア会議の開催やケアマネジャーへの個別相談などがこれに該当します。
所属する専門家とそれぞれの役割
地域包括支援センターには「保健師」「社会福祉士」「主任ケアマネジャー」が在籍し、それぞれの専門性を活かしながら課題解決に向けた取り組みを行っています。
保健師が担当するのは介護予防ケアマネジメントです。予防給付や介護予防事業のプランを作成し、要介護状態の予防や身体状態の悪化を防ぎます。
社会福祉士が担当するのは総合相談や権利擁護です。各種相談に応じ、高齢者に対する虐待防止・早期発見などに取り組みます。
主任ケアマネジャーが担うのは括的・継続的ケアマネジメントです。地域ケア会議を開催し、担当ケアマネジャーの相談に応じます。また、支援が困難な事例が発生した際に指導・助言を行います。
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