介護人材の確保
更新日:2022/03/28
地域包括ケアシステム構築のためには介護人材が必要です。少子高齢化に伴い、2025年までに必要とされる介護人材は約245万人といわれています。そのためには年間約6万人の介護人材を確保しなければなりません。
具体的な取り組み
介護報酬改定をきっかけに、介護職員の処遇改善制度が設けられました。処遇改善により給与額が月平均5万7,000円アップし、年々増加傾向にあります。他産業と変わらない水準を目指し、今以上の処遇改善が進められていく予定です。
また、多様な介護人材の導入も検討されています。生産年齢人口が減少傾向にある中で注目を集めているのが、介護業務の分化によるアクティブシニア層の活躍です。実際に三重県では労働意欲のある高齢者を介護助手として採用するモデル事業も展開しています。住み慣れた地域で新たな役割を持ちながら収入を得られるというメリットがあるだけでなく、現場の負担軽減にも効果を発揮します。介護業務の分化を行うことにより、高齢者であっても自分の年齢やスキルに合った業務に従事できます。専門性の高い業務は一定のスキルを有する介護職員に任せることで、それぞれが無理なく働けます。高齢者が介護業務に従事することで、自身の介護予防にもつながります。
労働環境や待遇
介護の現場は多忙で、書類作成などの雑務に時間を取られることも少なくありません。人手が不足している職場は休みを取りづらい雰囲気もあります。働きやすい労働環境を整備するために、事業所や施設の中に雇用管理責任者や相談窓口を設ける必要があるでしょう。
また、一定のスキルを有する介護人材が長期的に活躍するために、非正規職員から正規職員へのキャリアアップ制度も必要です。未経験から働き始め、スキルを磨きながら資格を取得し、正規職員になるという道筋を設けることで介護業界に挑戦しやすい環境を作ります。キャリアアップに伴い待遇がよくなることで、介護職員はやりがいを持って働くことができます。
人材育成や資格
地域包括ケアシステムを充実させるためには、スキルを持った介護人材を育成しなければなりません。そのために、介護職に興味のある未経験者に向けた入門研修が設けられています。この研修に参加することで介護職員初任者研修や実務者研修の講習が一部免除されます。安全衛生研修を受講することで、介護職員と高齢者双方の安全を守ることができるでしょう。
未経験からでも挑戦できる分野ですが、ある程度のキャリアを得るためには一定のスキルが必要です。上位の役職を目指すのであれば、国家資格である介護福祉士を取得する必要があるでしょう。この資格があれば、ニーズが高まる介護業界において長く活躍することができます。
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